遺品整理は終えたけど…お墓が無い！どうする？遺骨問題
もったいない屋では、日ごろから生前整理や遺品整理、ごみ屋敷の片づけなどをやらせていただいております。また、時には特殊清掃などのご依頼もあり、それらの業務を通じて《生と死》について色々と考えさせられることが多いです。
特に近年では『遺品整理は無事に終えたものの、遺骨をいれるお墓が無くて困っている』とおっしゃるお客様が増えていると感じます。
私たちが暮らす日本では核家族化や少子化が進み、時代と共に葬儀やお墓などにおける《古くからの習慣》に対する考え方も多様化してきました。
そんな中で《我が家には遺骨をいれるお墓が無い》とか《お墓を持ちたくない》という方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は、生前整理・遺品整理のプロであるもったいない屋が、遺品整理士の視点から《遺骨問題》についてお話ししたいと思います。
『ご家族のお骨をどうしたら良いか分からず、困っている』とか『自分が死んだら入る墓が無い！何か良い方法はないか？』と、お骨問題でお悩みの方はぜひ参考になさってください。
葬儀から納骨までの一般的な手順
ご家族が亡くなってから納骨するまでの手順については、各ご家庭ごとの宗派や、さまざまなご事情によって手順が異なる場合もあるため一概には言えませんが…一般的な流れをざっくり説明すると下記のようになります。
【1】葬儀
【2】火葬
【3】お骨上げ
【4】遺骨は四十九日まで手元（ご自宅など）で管理
【5】お墓に納骨
◆仏式：お墓があるご家庭なら四十九日法要と同時に、納骨をおこなうのが一般的。
◆神式：本来は骨上げ当日に納骨をおこなうとされている。ただしお墓がない人を含め、一般的には五十日祭・一年祭などの霊祭時に納骨をおこなう。
◆キリスト教式：追悼ミサ・昇天記念日までに納骨をおこなうのが一般的。
遺骨を「ゆうパック」で送って納骨する「送骨（そうこつ）」という方法がある
上記でご紹介したように主だった宗教だけでも《仏式・神式・キリスト教式》とさまざまですから、故人やご遺族の思想信条を考慮すると、これからご紹介する納骨の方法には『納得できない』と思われる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、遺骨をいつまでも手元に置いておくわけにはいきませんし、かといって急にお墓を買ったり作ったりするというのも現実的ではないように思います。
そこで、一つの方法として提案したいのが《遺骨をゆうパックで送って納骨する》送骨という方法です。
『遺骨をゆうパックで送る？？？』と、驚かれる方や『そんなの不謹慎じゃない？！』と不快に思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、近頃ではこの送骨の需要が高まっていると言われています。
送骨とは？
あまり聞きなれない言葉ではありますが《送骨》というのは、遺族が遺骨を寺院などに郵送して、立ち会うことなく納骨・供養をしてもらう仕組みのことです。
これは比較的新しい取り組みであり、初めは『遺骨をゆうパックで送るなんて…』と反発する意見もあったようなのですが、時代のニーズに合わせるように少しずつ《送骨》に賛同する寺院が増えてきたとのこと。
そうして現在では宗派を問わず送骨を受け入れてくれる寺院は全国におよそ50はあるようなので、手元に遺骨があって『どうしよう！』とお困りの場合は、この送骨の仕組みを利用してみてはいかがでしょうか？
とはいえ、個人で送骨の手配をおこなうのは不明点も多く大変ですよね…
でも安心してください✨
じつはこうした送骨も、遺族と寺院の間に入って《仲介してくれる業者》があるんです。
ぜひ《送骨》でネット検索し、ご自身に合った仲介業者を探してみてください。
気になる送骨の費用相場はいくら？
ここで気になるのが、送骨の費用についてです。
先にも述べたように、送骨を受け入れてくれる寺院は全国におよそ50はあると言われていますので、各寺院や仲介業者によって費用は異なるため、一概には言えません。
しかし、じつは遺族が自らの手で寺院に遺骨を持ち込む場合と比べると、仲介業者に手数料を払ってでも送骨を選んだ方が費用は安く済む可能性が高いです。
なぜかというと、遺族が自らの手で寺院に遺骨を持ち込むとなれば、あらかじめ寺院の方でお坊さんのスケジュールを押さえて対応しなければならず、さらに遺族立ち合いのもと読経をするなど、納骨の為の法要が一通りおこなわれるでしょう。
一方、送骨であれば寺院側でもお坊さんのスケジュールを押さえる必要がなく、都合のつく時間帯に法要し、納骨を終えることができるので必然的に費用は安く済むというワケです。
このようにご紹介すると「費用は安く済むって、言われても…だいたいいくらくらいなの？！そこが知りたい」と思われる方も多いですよね。
もったいない屋は送骨の仲介業者ではないため、詳細な金額を言い切ることは出来かねるのですが、これまでに見聞きしたニュースや参考資料によると、2019年7月の時点で送骨の費用は、安ければおよそ2万5千円～利用できるようです。
送骨のトラブルを避けるための注意点
ここまで、送骨の仕組みや料金について書いてきましたが『それならウチでも送骨を頼んでみようかな…』と思われた方もいらっしゃると思います。
もったいない屋としては、送骨を率先してオススメしたいわけではありません。
もちろん、故人様やご遺族の思想信条にのっとり、先祖代々のお墓に納骨することができるのであれば、それが一番幸せな形といえるでしょう。
しかし実際には『お墓がない』とか『お金がない』とか、さまざまな理由によって遺骨を手元に置いたまま、困っておられる方が多いのも事実です。
こうしたニーズに応えるためにできた新しい仕組みである送骨は、まだまだ社会における認知度が低く、制度も充分に整わない中で、仲介する業者も受け入れる寺院も手探り状態で進んでいるような状況といえるでしょう。
そのため、依頼する側も仲介業者は慎重に選択する必要があります。
インターネットで「いいかも！」と思える業者を見つけたら、ネット通販で商品をポチっと注文するみたいに、簡単に申し込まないでください。
少しでも不安なことや疑問点があるようでしたら、きちんと業者に確認し、問題を解決してから申し込むことをオススメします。
そのためには、HPに書かれている電話番号に直接電話をして担当者と話をしてみるのも良いでしょうし、寺院は遠くて行けない場合でも仲介業者の事務所が近いのであれば訪ねてみる、必要であれば書面で契約内容を残しておくなど、できる限りの対策をしていただきたいなと思います。
そして最後に「こんなハズじゃなかった！」とか「あとから追加で想定外の請求が来た！」という風に、後悔することがないようにしてくださいね。
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